「しなやかに歌って」 山口百恵 (VINYL) (youtube.com)



IMG_2024-09-03-16-29-49-416



しなやかという言葉がある
なかなかそうは生きられない

また
たおやかという言葉もある

しなやかは「しなう」から派生し
たおやかは「たわむ」から生じたという

いずれもか弱いが
芯が強く
強風に倒れてもすぐ元に戻るといった意味だが
たおやかは嫋やかと書き
女性を表現する言葉だそうな

つまり
「たおやかな男性」とは使わないのだ

そもそも女偏に弱いとは
はて
現代にいるのか?
知っている限り女はおしなべて強く生きている

「白きたおやかな峰」という北杜夫の小説があるが
白きは文語でたおやかなは口語で使用法がごちゃまぜだと三島由紀夫が指摘した
白きとくればたおやかなるにならねばおかしい
この場合はたおやかなのは山だ
雪山を女性に見立てた題名である
夏山なら青き雄々しき峰となろうか?
さだかでない

IMG_2024-09-04-16-31-34-334


たわむもしなうも
弓のように
青草のように
曲がってもすぐ戻るもの
そうした状況を示す形容詞
ほぼ同じ意味だが
たおやかだけは女性を表現するとなる
手弱女(たおやめ)と言う言葉もある
また手折る(たおる)は弱弱しい野の花を摘み取ることだ

IMG_2024-09-04-16-31-29-610


ならば男性はどういうかというと
たおやかな女性の対語は益荒(ますら)な男だそうだが
なかなか今は使わないし
そもそも実際には女々しい男が多い

しなやかに似た言葉に「しめやか」があるが
しめやかとは湿るが源で
静かにとどまっている状態を言うのでやや意味が異なる
亡くなった人をしめやかに送る などと使う
だからBGMの曲を「しめやかに歌って」と題すると
それじゃあ葬送の歌になっちまう


私(わたくし) の 上 に 降 る 雪 は   い と し め や か に な り ま し た 
『生 ひ 立 ち の 歌 』 中 原 中 也


たおやかな動きのシカや猫や野生動物とはよく使う
しなやかな体の動きも使う

いずれも芯には強さがあると言っていい

そのように生きたいと思えどもなかなか難しい

IMG_2024-09-04-16-31-21-861


大谷翔平は強靭な肉体だが動きはしなやかである
内面が強くなければしなやかにはなれないとなるか

女たちは弱いが内面が強い
嫋やかとはそういうことだ

わたしは芯がさほど強くはない
だから事物にあがらい立ち向かおうと生きた
それは間違っていたのである

IMG_2024-09-03-16-29-43-509


二日間刺身で夜をうっちゃった
文面とは無関係な私事であるけれど
呑んでいるときだけはしめやかでしなやかになれるので
まことに不思議だ



ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村

PVアクセスランキング にほんブログ村



人気ブログランキング