昔、花戸筐(はなと・こばこ)という作家がいた。
あかんたれ、どえらい奴など、番組にもなった作品の作家である。
彼の晩年に週刊誌に連載していたエッセイが「花戸筐の人生裏切り裏切られ史」だったと覚えている。
彼もたくさんの仲間からの裏切りや裏切られの人生を送った人である。

自分も多くのそういうできごとがあった。そして晩年が近づき、ああ、それらをすべて墓にもって死ぬんだなあと感じるようになった。

そうしたくてするわけじゃない。
なんとない流れの中で、誤解し、誤解されはつきものだ。
長い間、そういうわだかまりはうっちゃって生きて行ける。しかし、ある年齢になったり、病弱になったり、あるいは長年の友人から友好を遮断されたりがありすると、そういうことは走馬灯のように後悔となって頭に顕れ、もう消えなくなったことに気づかされる。

こびりついた過去は誰にだってあるだろう。
女たちとの思い出はすべてよい思い出ばかり思い出すが、オトコどもとのそれは引出しに入れたまま出したくない。なのにこのごろは、そいつらが嫌になるほど責め立てるのである。


いい酒を飲めば「ワタシノ・アイシタ・オンナ」のように歌が出てくるのに、奴らとの思い出はよくない酒をやってしまったときにだけ顔を出す。


そういうあまりよくない酒肴がこれだった。


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帆立の小柱を雲丹で練った一品。

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ところがこれがよろしくない。
ホタテとウニの相性がどうもいけない。
個性が強すぎる二人の出会いみたいに、お互いが主張しあい、譲り合いがないのだ。

まいったね。

ウニというものは、相手が淡白な奴ならうまく結合する食い物である。イカとかね。でもホタテは臭いも歯ごたえも単独なら抜群なのに、ウニとは合わない。


にがい人生を振り返らされた思いだった。今夜は口直しが欲しいところ。
日本酒ならよかったのかもしれないが、あいにく焼酎しかなかったからかも。

酒肴なんていうものは、呑み合わせもあるからね。

まるで That is Life ですわ。
人生なんてそんなものさね。

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