採点競技には基礎点とか構成点とかいろいろあって比較されるわけですが、紀平選手の演技構成点を、ほかの選手と比べると、一目瞭然でこのひとの運動能力の高さに気づかされますな。


ea79b0b8.png




現代フィギュアをジャンプ中心のアスリート競技へ変化させたのは、あの大根足と呼ばれた伊藤みどりさんでして、ライバルは美の頂点といわれていたカタリーナ・ビットでした。覚えてますか?あの五輪で伊藤みどりは、三度も3アクセルを飛んで、やっと銀メダルをもらいます。それまでの女子スケートは、いわばダンスですわ。スポーツよりも。

それが伊藤のおかげでジャンプが採点の中心に変わってしまった。それが今の女子フィギュアなのです。だから伊藤みどりは日本フィギュアの宝でした。それを受け継いだのが浅田真央でしたが、彼女では3アクセルは完成できなかった。そして紀平が登場して、3アクセルを完璧にこなせる女子選手はまだザギトワと紀平しかいませんな。ロシアのジュニアは紀平に勝つために4回転をマスターしはじまてます。



その3アクセルと、4回転では一番やりやすい4トゥループの構成点はこうです。

3回転アクセル 3A 基礎点8.00×2=16.00+できばえ加点+3.00=22.00
コンビネーションならさらに加点あり

4回転トウループ 4T 基礎点9.50+できばえ加点最高+3.25=12.75
コンビネーションならさらに加点あり
×2なら25点以上になる


宮原もほかの選手も、これをやり切れる人は日本にはいません。紀平だけです。
紀平以外の選手の構成点は「完璧に演じても、紀平とザギトワの構成点には及ばない」状況です。だから完璧に飛べずとも紀平のほうが強いのは当たり前なのです。

これでもし4回転を一回入れますと、もう男子しか敵はいなくなります。