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トムを聞きながらブリ大根を作ろうよ。



大根を塩水からくつくつしながら
ブリを湯通ししていたりしたら、
つまり台所に男がひとりたっていたらってことだが、

無性にトムが聞きたくなることって・・・ない?



ないかな。


でも今日のぼくは聞きたかったんだ。




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鍋にショウガを敷き並べて





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充分に時間を置いて透き通った大根を敷き詰めたら
湯どうししたブリのあらを置いて




酒、みりん、醤油と水でたっぷりにして
ふたをして
くつくつ。


ただただ、くつくつくつくつくつ・・・





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あとは置いておくだけ。


仕上げにナンプラーでもあれば数滴。
柚子皮をぱらり。






・・・・・





火がじっくりと大根に通るまで
のくは庭を眺めながら
一杯やってればいいだけなのさ。

(少しまわってきたのかな?
「のくは」  じゃなくて、ぼくは・・・だったよ)






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おっと、もう一日、彼女に時間をやれば
漉き取った少女のようなこれが
ブリと結婚した少女のような
そんな味の凍み込んだ年増のいい女になるだろうが。

その両方をぼくは
きっと手に入れるだろう。


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ふふふ、
でもこれぐらいのできたても
あなただって
ちょっとばかりは
味見してみたいだろう?


いいだろう?



少しぐらい味見したって。






女の子って
少女時代もいいし
熟成した年増もいいのさ。




ぼくは、
トムと
きっとそのどちらも





今日明日のうちに楽しむことになる。
なんて贅沢な初冬だろう。





バチがあたるんじゃないかな?







神さまよ
ああ、神さまよ
ぶんなぐるんなら
そうさな


まずは俺の右肩を殴ってくんな。
だって、右肩が痛くて痛くて。
おねげえしますだ。



哀れなこの俺の、まずは右肩を叩いて下せえまし。




そしたらあんたにも、この、
どうしようもなくうまくできているブリ大根を
差し上げますだよ。





ああ・・・・・
とけていく。
口の中で・・・