関西人はキツネうどんのことを「けつねうろん」となまって言う。
キツネうどんはあげを甘辛く炊いた「けつね」を乗せる「うろん」なのや。
で、タヌキそばは、そのキツネが乗ったそばである。しかし関東ではそれはキツネそばである。

キツネつまり揚げさんの炊いたものは、西日本では三角で、ちょうどキツネやタヌキの耳の形だからお稲荷さん(いなりずし)も三角ないしは菱形である。ところが関東のお稲荷さんは四角である。しかも皮が裏返っているので、これはキツネの全体像をかたどっていることになろうか?

東京でタヌキと頼むと大阪のテンカスそばが出てくる。東京ではどうやらキツネとタヌキは稲荷と揚げ玉で区別するようだ。


私はケツネうろんがときおり無性に食べたくなる。


そういうときは必ずまず揚げを炊くところから始めてしまう。どんなに腹が減っていてもまずは油揚げを買いにゆく。



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うどんを打つよりも揚げを炊いているときのほうが食欲がわく。



めったに甘いものを食べないせいか、かえって食いたくなると無性に何日も続けてきつねうどんを食べてしまう。


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このとき、関西風の薄味がいいときと、関東風の濃い味の甘辛がいいときがある。そのときによって違うが、多くは関東風にしてしまう。それは魚の煮付けでもそうだ。
普段は関西風なのに、なぜか濃い味が欲しいときが多い。


なぜだろう?


揚げさんはまとめて作って置いて冷蔵するが、足が速いので、はやめに食べようとしていなりずしも作るときがある。


あんなに甘辛く炊いたのに、なぜ揚げさんはすぐカビるのだろうか?


いまいましい。


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腐ったらしゃくだから早めに食べてしまおうと思うから、集中的に食べるのかも知れない。


お昼にキツネうどん。
おとといからもう3日間だ。


「よう味のしゅんだ揚げさん」で作るキツネはうまい。
そしてあったまる。


ネギは九条の青ねぎに限る。


わしゃ、いったい何県民なんだろう?たまに考える。
ただの食いしん坊人でしかないんだろうな。



あっちこちのうまい味を、ただちょっと知っているだけんだろうが、それってけっこう生活がカラフルになる気がする。


食い歩き 歩いた末に 国籍不明


おふくろの味がない。
帰属する場所がない気もする今日このごろである。



来年は酉年。おふくろが死んでからちょうど干支が一巡する。